HealthKitで利用可能なデータについて。
HealthKitとは
Appleの開発者向けフレームワークの一つ「HealthKit」は、その名の通りヘルスケア系のアプリを開発する場合には核となるものの一つです。
簡単に言えば、HealthKit自体はデータベースに過ぎません。iPhoneはそれ自体で歩数計を搭載していますし、Apple Watchと組み合わせれば、心拍や血中酸素飽和度(血中酸素濃度)など、様々なヘルスデータをApple Watchが計測し、ペアリングされているiPhoneのHealthKitデータベースに書き込みます。さらにHealthKitはデータをiCloudへ送信し、同じApple IDで使用されているデバイスのデータベースを同期します。
HealthKitは、歩数などのAppleのデバイスが書き込むデータ以外にも、多くの種類のデータを書き込めるようになっています。例えば体温、血中アルコール濃度など多くのデータタイプがありますが,これらはAppleのデバイス以外で測定・書き込みされることを想定しています。HealthKitに書き込まれたデータは全てのアプリから読むことができるので,HealthKitに書き込んだデータは、すべてのアプリで利用可能になります。いわばHealthKitはハブになっているわけです。
HealthKitには多くのデータタイプがあるわけですが、そのうちAppleのデバイスによって測定されるデータは、追加のハードウェアなしにどのアプリでも利用できるデータということになります。iOS14とiPhone12, Apple Watch Series6で測定されるデータはを以下に記す通りです。
- 自転車で移動した距離
- 車椅子を漕いだ回数
- 車椅子で移動した距離
- 水泳時に漕いだ回数
- 水泳で移動した距離
- 安静時消費エネルギー
- アクティブ時消費エネルギー
- 階段上昇回数
- エクササイズ時間
- 立っていた時間
- エクササイズ中の最大酸素摂取量
- 手洗いの回数
- 心拍数
- 血中酸素飽和度
- 心拍変動
- 安静時心拍数
- 歩行時平均心拍数
- 心電図
- 環境音レベル
- ノイズ回数
- 睡眠解析
- 歩数
- 歩行・走行距離
- 歩行速度
- 歩幅
- 歩行両脚支持時間
- 歩行安定性
- 歩行非対称性
- 6分間歩行距離
- 階段上昇速度
- 階段下降速度
- 転倒回数
Appleのデバイスで計測できるデータタイプだけでも、かなりの種類があります。iOSのバージョンアップによって、さらに増える予定です。
MW Productsのアプリ「スクナ」も、このHealthKitのデータを使用しています。
Appleが用意しているヘルスケア分野向けのフレームワークとしては、CareKitというものもあります。これは、HealthKitのデータを外部と共有する際に使用されるものです。次回はこれについて触れたいと思います。