Markdown と Mermaid のガントチャートでプロジェクトを管理する

Markdown と Mermaid のガントチャートでプロジェクトを管理する

プロジェクト管理ツールは便利ですが、月額費用がかかり、データはサービスの中に閉じ込められ、数年後にそのサービスが続いているかは誰にも分かりません。

一方、テキストファイルは 30 年後も開けます。この記事では、Markdown と Mermaid だけでプロジェクトの進捗を管理する方法を紹介します。

なぜテキストで管理するのか

  • どのエディタでも開ける。特定のアプリに縛られません
  • 差分が見える。Git で管理すれば、いつ誰が何を変えたかが残ります
  • 検索できる。Finder でも grep でも、ふつうのファイルとして扱えます
  • AI に渡しやすい。これが最近いちばん大きい利点です(後述)

Mermaid のガントチャートの書き方

Mermaid は、テキストで図を書くための記法です。Markdown のコードブロックに mermaid と指定して書きます。

```mermaid
gantt
title サイトリニューアル
dateFormat YYYY-MM-DD
axisFormat %m/%d
excludes weekends

section 準備
要件の整理 :done, req, 2026-09-01, 5d
デザイン方針の決定 :done, des, after req, 4d

section 制作
トップページ制作 :active, top, 2026-09-12, 7d
下層ページ制作 : sub, after top, 10d

section 公開
社内レビュー :crit, rev, after sub, 3d
公開 :milestone, m1, after rev, 0d
```

覚えることは多くありません。

書き方意味
dateFormat YYYY-MM-DD日付の書式(最初に宣言します)
section 名前工程のグループ分け
:done,完了したタスク(グレー)
:active,進行中のタスク(濃い色)
:crit,重要なタスク(赤系)
:milestone,期日を表す菱形のマーカー
after req別のタスク(ID が req)の終了後に開始
5d / 2w期間(日・週)
excludes weekends土日を日数計算から除く

つまずきやすい点

  • dateFormat を書き忘れると日付が解釈されません
  • タスク名の中に : を書くとエラーになります
  • after で参照するのはタスク名ではなく ID(上の例の reqtop など)です

進捗管理の運用

凝った運用は続きません。次の 3 つだけで十分回ります。

  1. プロジェクトごとに概要ノートを 1 枚つくる。目的、関係者、現在地、次にやること、そしてガントチャート
  2. 週に 1 回だけ更新する:active:done に変え、遅れたタスクの日付を直す。5 分で終わります
  3. 細かいタスクはチェックリストで書く- [ ] 原稿を送る のように書いておけば、未完了の項目が一目で分かります

ガントチャートは「全体の形」を見るためのもので、日々のタスク管理はチェックリストの役割です。両方を 1 つのファイルに置けるのが、この方法の良いところです。

図を表示できる場所

Mermaid は GitHub や GitLab の Markdown でそのまま描画されます。手元の Mac で書きながら見たいなら、Mermaid に対応したエディタが必要です。

  • Markdocx は Mermaid を内蔵し、描画は Mac の中で完結します。完成した資料を Word や PDF に書き出すところまで 1 つのアプリで行えます
  • Orviss は、プロジェクト概要のテンプレートに最初からガントチャートが入っています。行を書き足すだけで進捗管理が始められます

AI エージェントに読ませる

テキストで管理する利点がいちばん効いてくるのが、ここです。

Claude Code や Codex、Cursor のような AI エージェントは、フォルダの中のファイルを読み書きできます。プロジェクトの資料がローカルディスク上のプレーンな Markdown なら、エージェントにそのフォルダを開かせるだけで、

  • 「このプロジェクトの現状を 5 行で要約して」
  • 「先週の議事録から、未完了のタスクを拾ってチェックリストに追加して」
  • 「作業が 3 日遅れたので、ガントチャートの日付を引き直して」

といった指示がそのまま通ります。特別な連携設定も API キーも要りません。プロジェクトのフォルダが、そのまま AI の外部脳になるわけです。

Orviss はこの使い方を前提に作ったアプリです。プロジェクトや日付のフォルダに、Markdown のノートだけでなく、ふつうのファイル、Web ページ、メールをまとめて置けます。すべてローカルの素のファイルなので、エージェントが書き換えた内容はすぐ画面に反映されます。Mac・iPhone・iPad・Apple Vision Pro に対応し、近日公開予定です。

Orviss の詳細を見る

まとめ

  • Mermaid の gantt は、覚えることが 10 個もない簡単な記法
  • 概要ノート 1 枚+週 1 回の更新で、進捗管理は回る
  • テキストで持っておくと、AI エージェントにそのまま文脈として渡せる